ニーズの概略

概要:

英国を拠点とする冷凍食品メーカーNomad Foods社が、揚げ物に3-MCPD(3-モノクロロプロパンジオール)が生成される現象を理解し、そのレベルを制限および制御するための解決策を実装するための共同研究パートナーを求めています。


背景・詳細:

Nomad Foods社は、研究者個人、学術研究機関または企業との共同研究を通じて、揚げ物製品に3-MCPD(3-モノクロロプロパンジオール)が生成される現象を理解し、そのレベルを制限および制御するための解決策の実装したいと考えています。

3-MCPDエステルは、植物油が塩化物の存在下で185°C以上に加熱されたときに形成される汚染物質です。EUの食品規制では、1日の総摂取量(TDI)が2 µg/kg体重を超えないようにする必要があります。この要件に基づいて自社で検証した結果、主菜の一部として消費される揚げ物の一部に含まれる3-MCPDエステルの最大レベルは、TDIの50%を超えてはならないことがわかりました。

工業用揚げ物プロセス中の3-MCPDの生成を理解し、制限しようとするために、広範な工場ベースの研究を実施した結果、重要である要因は以下の通りです。

  • 油の温度と油の加熱方法
  • 製品構成
  • 調理の塩のレベルと種類
  • 触媒の存在

これらの研究に基づいて、生成された3-MCPDのレベルは大幅に低下しましたが、実際には完全に予測可能ではなく、説明できないレベルや望ましいレベルよりも高いレベルが観察される場合があります。


技術要件:

具体的には、下記の項目の実現を目指します。

  • 自社の工業条件で3-MCPDエステルの作成につながるパラメーターの知識を開発する
  • 製品設計、評価を容易にする予測モデルとラボスケールテストの方法を開発し、リスクと処理パラメータを定義する
  • 工業規模で、できれば2年以内にプロセス制御ソリューションを実装する

連携形態:

  • 共同研究・開発

技術成熟度レベル(TRL):NA


*上記掲載内容は、ジャパン・テクノロジー・グループ(JTG)が各ニーズの概要や要点を、独自に整理、要約、および翻訳(海外ニーズの場合)した上で提供しているものです。

Nomad Foods について

Nomad Foods社は、20カ所の生産工場、約8000人の従業員を擁する英国に本社を置く冷凍食品のメーカー。長期的な視点に立って事業の成長と価値創造を目指す冷凍食品に特化したメーカーである。本社と各拠点が一体となった研究開発能力を有し、イノベーションへの強いコミットメントを持って、オープンイノベーション活動に力を入れている。