ニーズの概略

募集要件概要: 創薬候補および創薬標的候補プロジェクト


EAファーマ株式会社では、以下の疾患A~Fに対する創薬候補、創薬標的、及びこの分野での創薬研究パートナーを募集しています。なお、創薬候補のモダリティは問いません(例:低分子化合物、天然物、ペプチド、抗体、核酸、細胞治療)。


A. 炎症性腸疾患:Inflammatory bowel disease (IBD)
(ア) 既存の抗炎症薬とは異なる機序により、抗原に対する免疫応答を補正する下記に記載の因子に関連する創薬候補もしくは創薬標的候補。最近の研究では、IBDがある種の腸内因子への過度の免疫応答または免疫不全を特徴とするヘテロな疾患であることが示唆されている。

① 自然免疫細胞の抗原認識の賦活化(TLRアゴニストを除く)
② 過度の免疫反応に対する免疫寛容の誘導・再構築
③ 免疫記憶の完全除去・再構築
④ 炎症反応の終末化
(イ) ヒト小腸における粘膜バリア機能の調節に有益な効果を有する下記に記載の因子に関連する創薬候補もしくは創薬標的候補。IBDは、粘液バリア機能の低下および腸内細菌種の変化に関連している。 変化した微生物は、粘液層を劣化させるか、またはムチン産生を阻害し、上皮創傷修復を遅延させる可能性がある。 これらのメカニズムは、IBDの病因および/または重症度に関与すると想定される。

① ヒト小腸における粘液分解・浸食の抑制 (感染症以外)
② ヒト小腸における上皮細胞創傷治癒の促進 (成長ホルモン以外)


B. 非アルコール性脂肪性肝炎:Non-alcoholic steatohepatitis (NASH)
(ア) FXR agonistあるいはPPAR agonistとは異なるメカニズムで肝臓のバルーニング、炎症、特に線維化に対し抑制作用を有し、高い安全性が期待される創薬候補。
(イ) NASHの臨床病態解析から特定の患者集団に対して特異的に効果を示す創薬候補。
創薬候補は、高活性を有することが確認されており、NASH病態モデルでのin vivo薬効データを取得していると望ましい(食品成分は除く)。また、創薬標的のノックアウトマウスやトランスジェニックマウスなどを有していると望ましい。


C. 過敏性腸症候群:Irritable bowel syndrome (IBS)
(ア) IBSにおけるCNSの異常(例:中枢性の痛覚過敏 など)を標的として、下痢や便秘の副作用無くIBSの腹痛改善が期待される創薬候補もしくは創薬標的候補。
腹痛改善に加えて、下痢もしくは便秘一方だけでも消化管運動異常を改善し得ることが示されている、または想定される場合はより望ましい。また、CNSそのものではなく末梢組織、末梢神経を一次標的として、その結果としてCNSの異常を改善し得る創薬候補もしくは創薬標的候補であることが望ましい。
なお、上記創薬標的候補に関しては直接的または間接的に臨床病態との関連が示唆される分子標的を優先し、probiotics, prebiotics, synbioticsおよび食品成分は除く。


D. NSAID起因性小腸粘膜傷害:NSAIDs-induced mucosal injury in small intestine
(ア) NSAIDsや低用量アスピリンの慢性服用時に発生する小腸粘膜傷害に対して、例えば粘膜上皮バリア、粘膜血流、腸内細菌などへの作用を介して、予防効果あるいは治療効果が期待できる創薬候補もしくは創薬標的候補。
創薬候補は標的分子が明確であること、創薬標的候補は免疫機能への影響や下痢等の副作用がなく、安全性が期待できるものが望ましい。
なおプロスタグランジンの補充(PGE誘導体など)や抗生物質、NSAIDsの改良(製剤工夫や粘膜傷害を発生しない新規消炎鎮痛剤の標的など)ならびにprobiotics, prebiotics, synbioticsおよび食品成分は除く。


E. 他疾患の治療による消化管副作用
(ア) がんを含む様々な疾患の治療によって消化器に生じる副作用(抗がん剤による粘膜傷害 等)に対する予防または治療効果が期待される創薬候補。
なお上記の創薬候補はGLP試験開始以降、かつ臨床PoC取得前の段階にあるものとする。


F. その他疾患
(ア) がんを除く、治療満足度が満たされていない消化器系疾患(例えば慢性膵炎や、消化器希少疾患 等)に対して治療効果が期待される創薬候補または創薬標的候補。

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keywords2: 共同研究,ライセンス
language :
infocode : m07y12cB31r01
N-number : 12_I28

EA Pharma(EAファーマ株式会社) について

EAファーマ株式会社は、エーザイグループと味の素グループそれぞれの消化器疾患領域事業を統合して2016年4月に発足した、消化器領域に特化したスペシャリティ・ファーマです。
両グループが固有に蓄積した、上部・下部消化管および肝臓、膵臓などの疾病領域における、創薬、臨床開発、安全性、製造、マーケティングなどの幅広い経験やデータなどの「知(Knowledge)」を融合することで、あらたなイノベーションを巻き起こすべく日々取り組んでいます。