USPTO、標準化参画を支援する早期審査プログラムを試行導入

米国特許商標庁(USPTO)は1月13日、中小企業や大学等による標準化プロセスへの参画を後押しするため、特許の早期審査および早期審理を認める試行プログラム「Standards Participation and Representation Kudos(SPARK)」を開始する方針を公表しました。

本プログラムは、USPTOが設置した標準必須特許(Standard Essential Patent:SEP)に関するワーキンググループ(WG2)の取り組みの一環として位置付けられており、標準化活動と知的財産制度をより密接に連動させる政策的試みといえます。


■ プログラムの狙い:標準化と特許取得の「時間差」を埋める

技術標準は、通信、半導体、AI、IoT、モビリティ分野などにおいて、市場形成や競争優位性を左右する重要な要素です。しかし、標準化活動には長期間の人的・資金的投資が必要であり、とりわけ中小企業や大学にとっては大きな負担となってきました。

SPARKプログラムでは、標準化団体等に技術的に貢献する中小企業・大学を対象に、

  • 特許出願の早期審査
  • 特許審判部(PTAB)における早期審理

を限定的に認めることで、標準化への投資回収を早期に可能とする環境整備を目指しています。


■ 日本企業・大学への示唆①

「標準化+特許」一体戦略が国際競争の前提に

本動向は、米国において「標準化活動への貢献」を正当に評価し、知財制度で後押しする方向性が明確になったことを示しています。 日本企業や大学にとっても、

  • 標準提案
  • 技術仕様への反映
  • 特許ポートフォリオの構築

を別個に考えるのではなく、一体的に設計する戦略がより重要になると考えられます。

■ 日本企業・大学への示唆②

米国標準化プロセスへの関与価値が相対的に上昇

SPARKは米国の中小企業・大学を直接の対象としていますが、

  • 米国主導の標準化団体
  • 米国市場を前提とした技術標準

への関与が、特許取得のスピードやSEP形成において有利に働く可能性を示唆しています。 日本の大学発技術やスタートアップにとっても、米国拠点や共同研究を活用した標準化参画の重要性が高まるとみられます。

■ 日本企業・大学への示唆③

大学・中小企業にとっての「SEP予備軍」育成の機会

従来、SEP戦略は大企業中心の取り組みと見られがちでしたが、本プログラムは、大学や中小企業が標準必須技術の源泉になり得ることを制度面から後押しするものです。 日本においても、

  • 大学の標準化活動評価
  • 産学連携によるSEP創出
  • 標準化を見据えた研究テーマ設計

といった視点が、今後一層重要になると考えられます。


■ 今後の注目点

SPARKプログラムの開始時期や具体的な申請要件は未公表ですが、今後の制度設計次第では、

  • 標準化活動の評価基準
  • SEP形成と特許審査の関係
  • 各国制度との非対称性

が国際的な知財・標準化戦略に影響を及ぼす可能性があります。


【まとめ】

USPTOのSPARK試行プログラムは、標準化と知的財産を連動させる新たな政策アプローチであり、日本企業・大学にとっても、国際標準を見据えた研究開発・特許戦略の再設計を促すシグナルといえます。


ソース:USPTO

*上記掲載内容は、ジャパン・テクノロジー・グループ(JTG)がニュースの要点を、独自に整理、要約、および翻訳(海外から発信されたニュースの場合)した上で提供しているものです。

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