台湾の台光電、AI/高速通信対応の基板で特許と生産力を両輪展開

半導体パッケージ材料の中核を担う銅箔基板(CCL)大手、台光電(エリート・マテリアル:台湾・新北市)が静かなる追い上げを遂げています。長年にわたり特許戦略と生産拡充を進め、AI・高速通信インフラの需要急増に対応する“AIデュアル・パス戦略”で競争力を高めている。


特許戦略で抜きん出る技術力

  • 過去20年以上にわたり特許出願を重ね、EU無ハロゲン規制への対応で先行
  • 2023年には高速多層板市場で世界シェア約28%を獲得し、トップ企業に躍進
  • 樹脂素材や微細構造設計など、AIハードウェアに不可欠な高性能基板を次々に開発

業績は爆発的成長へ

  • 2023年までは売上横ばいだったが、2025年Q1は前年同期比+68%の急成長。
  • 営業利益率・純利益率すべて過去最高水準に到達
  • AI/データセンター関連製品の需要増が売上の約35%を占める見通し。

生産規模の大幅拡大

  • R&D投資を年間売上の2–3%で継続し、特許ポートフォリオを強化 。
  • 2025年には中国・マレーシア・台湾で合計約150万枚の生産キャパ拡大。既存規模に対し+40%増 ◆2025年Q2対応予定 。

今後の展望と注目点

  • NVIDIAが示す「AIインフラ構築」潮流のなか、GPUやASICに用いられる高性能基板は不可欠
  • 台光電はM6〜M9相当クラスの高難度基板で日本大手と肩を並べ、最新モデルの試験供給も開始済
  • 特許+量産体制でAI基盤の供給企業として存在感が世界へ拡大中。

台光電は、知財と製造を両軸に据えた戦略により、AI基盤材として一層の存在感を放ちつつあります。IPニュースとしては、グローバル競争における技術・特許戦略と生産展開の両面が整い、業界注目度も高まっている点を評価できます。


台光電(Elite Material Co., Ltd./EMC)

  • 設立:1992年
  • 本社所在地:台湾・新北市
  • 主な事業:銅張積層板(CCL)やプリント配線板(PCB)用材料の製造・販売
  • 証券コード:台湾証券取引所に上場(証券コード:2383)

ソース:TechNews 科技新報

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